El Oriente導入後のアイテム価格の変動をグラフ化してみました

　結局、選んだのは金庫です。金庫は

• 月に1回、商会納品で大量に生産されている。
• 商会納品完了後、割と捨て値で出品されている。捨て値にも物価指数が反映されていると仮定した。
• FSやJBでつけることがそんなになく、El Oriente前後で通して見ても納品用が一番多いはず。

実際は仮説検定をすべきなのでしょうが、面倒なので省略してグラフ化してみました。

　高額アイテムかつ非スタック品ということもあって、出品個数が相対的に少ないことによる価格変動を平準化するために1週間移動平均でグラフ化しています。そのため、期間は10月1日〜5月4日になっています。5月7日分は本来は移動平均に含めるべきではないのですが、3回分の平均なのでまあいいだろうってことで......

　まずグラフですが、すぐに分かるとおりEl Oriente前後でだいたい2倍近い価格水準の変動があります。これが物価水準の変動に近いトレンドかどうか分かりませんし、FS部品を中心にアイテムごとで需要に変動があったので一概には言えませんが、体感通り南蛮交易の導入で物価水準はかなり上がった可能性があります。

　以下、ちょっと微妙にマクロ経済学的な話になりますので、場合によっては1段落読み飛ばしてください。
　ここで思い出すのは池田勇人内閣での所得倍増計画ですが、所得倍増計画の場合、日本が開放経済下にあったこと、さらには平均所得の向上分よりインフレ率が低かったため、実質GDPの増加に繋がりました。しかし、DOLは当然ですが一種の特殊な閉鎖経済なので、所得の増加率とインフレ率はかなり近くなると考えられます。「特殊」「かなり」というのは、投資が実質的にマネーサプライの回収手段であること、消費が対PCと対NPCで異なり、対NPCは同じくマネーサプライの回収手段でもあるからです。

　ここで問題なのは、所得増加率はレベルごとに同じではなく、対PCバザーでなかなか稼げない初心者層にとっては実質購買力の低下が起きるということです。

　初期段階では料理を除いてバザーで買うことはそうそうないかと思いますし、ピザなどの料理はスキル上げの影響もあって実質価格が下がっているので問題はないように感じるかも知れません。しかし、船などの価格はインフレ率相当に上がっていますし、カテゴリー系のアイテムはインフレ率以上に高騰しています。もちろん、スキル上げをブメに頼るという手もありますが、カテゴリー系の存在を知っていてブメをやったら心が折れたりすると思うんですよね。

　つまり、成熟したMMOではよくあるケースだとは思いますが、インフレが原因で初心者の参入障壁が上がる可能性があるということになります。こればかりはデータがないので断言はできませんが......

　今回は金庫にフォーカスしていますが、やはり一つのアイテムの価格推移で色々断言するのには無理があるようにも思います。そのうち、日経225のようにいくつかのアイテムをピックアップした上で、その平均価格の推移を調べたいと思います。